原点は長崎の記憶 作品に稲佐山や原爆 ノーベル賞イシグロ氏

ノーベル文学賞に決まったカズオ・イシグロさん(62)は、日本を描くことから、作家人生が始まった。 長編デビュー作「遠い山なみの光」(1982年)は、英国に暮らす日本人女性の悦子が、終戦直後の長崎での日々を振り返る作品だ。悦子は稲佐山に立ち、復興のつち音が聞こえてくる街の光景を見渡しながら、こう語る。 〈まるで何事もなかったみたいね。どこもかしこも生き生きと活気があって。でも下に見えるあの辺はみんな

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