東浩紀「映画『沈黙―サイレンス―』を観てもう一度普遍主義の価値を考える」 2017/2/19 ※写真はイメージ 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。* * * マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙─サイレンス─」を観た。キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる17世紀の長崎を舞台に、来日したポルトガル人司祭が棄教にいたるまでを描いた話題作である。 原作は遠藤周作の小説で、発表時には宗教界から強い反発があったとい