「団塊ボーイの東京 1967-1971」矢野寛治著

団塊ど真ん中の著者は、最近還暦を迎えた私のちょうどひとまわり上の世代に当たる。著者が中津から上京し学生生活を送った吉祥寺は私が下宿していた阿佐谷と同じ中央線沿線。大ざっぱにいえば、バブル前の東京の街自体にそう大きな違いはなかろう。  だが、学生生活の中身は決定的に違う。学生運動にこそ距離を置いた著者がのめり込んだジャズ喫茶、テント芝居、雀荘、任侠映画といった文化体験は、遅れてきた私たちの世代から見

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