【寅さん50年 男はつらいよを読む-吉村英夫】(24)地域共同体への郷愁

「ニュースだ、ニュースだ。寅の恋人が〈上海軒〉に勤めたぞー」と一瞬のうちに柴又の街に知れ渡る。小百合(志穂美悦子)がとらやに下宿して柴又の中華料理店に就職したのである(第37作『幸福の青い鳥』=主なロケ地・福岡県)。地域共同体がまだ生きていて、柴又中がその日のうちに出来事を知ることになる。  寅次郎が柴又に帰ってきて「よう越後屋、相変わらず馬鹿か」といった挨拶をするのはほとんどいつものことである。

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