【ビブリオエッセー】私が手にした砂糖リンゴ 「シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精」三川(みかわ)みり(角川ビーンズ文庫)

この物語に出会ったのは社会人になってから。ある古書店で、タイトルに惹かれて手に取った。その時の私は、夢をかなえて好きな仕事に打ち込み、充実した毎日を送る半面、何かに倦(う)み疲れていた。この本は、そんな私に「ひたむきに生きているときのすがすがしい気持ち」を取り戻させてくれた。  舞台はハイランド王国という、人間と妖精が生きる国。主人公のアンは男社会の職人の世界にひとりで飛び込んだ少女だ。銀砂糖師と

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