「価値観が多様化し、複雑化した社会で、誰もが興味を持つ内容で、生きるヒントを提示する作品を書くのは難しい」
「価値観が多様化し、複雑化した社会で、誰もが興味を持つ内容で、生きるヒントを提示する作品を書くのは難しい」。10年近く前、その当時、「若手」とされる小説家が創作の苦悩を私に語った。「戦争とか未曽有の大災害とか起きない限り、そんな作品は必要とされてもいない」小説ではないが、今年は「シン・ゴジラ」「君の名は。」と邦画の大ヒット作が続けて生まれた。ヒット要因はさまざまな分析が可能だろうが、確実なのは両作