父と息子の関係は厄介だ…

父と息子の関係は厄介だ。息子は成長するにつれ、大きかった父の背中がちっぽけに見えてくる。父は息子に託した夢や期待がしぼみ、やがて話もしなくなる▼「小説の神様」と呼ばれた志賀直哉も父と不和だった。きっかけは志賀が18歳の時。足尾銅山鉱毒事件の被害農民に会いに行こうとして父と衝突した。父は高名な実業家で、息子が被害者側に付くのはまずかった▼ただ、志賀が親となり人生経験を重ねるうち、絡んだ糸はほぐれる。

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