オダギリジョーは“声”で観客の感覚を変化させる 『オーバー・フェンス』で演じる“半開き”の魅力

 ダイアローグがモノローグのように聞こえてくる。オダギリジョーは台詞をそんなふうに発声することができる特別な俳優だ。  つまり、だれかに向かって話していることばが、自分に向けての独り言に思える。心のつぶやきがモノローグなのだとしたら、その心が、そっと、だだ漏れしている。決して露悪的ではない。自己主張でも、自己憐憫でもなく。むしろ、心がこぼれることに抗わない潔さがある。それは、ひょっとしたら、きわめ

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