70年代の新宿の裏通りを生き生きと描き出した青春小説

 盛り場の魅力は、裏通りのざわめきにある。いかがわしい場所と思われるところに、はみ出し者たちが集まってきて活気を作り出してゆく。一九七〇年代はじめの新宿がまさにそうだった。サブカルチャーはここから生まれた。  フーテン、家出少女、挫折した政治青年、落ちこぼれの学生、テキヤややくざといった管理社会の外側にはみ出してしまった者たちが、新宿の裏通りではなんとか生きることが出来た。  著者は一九五〇年生ま

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