菊地成孔の『暗殺』評:「日韓併合時代」を舞台にした、しかし政治色皆無の娯楽大作

「日韓併合時代の京城を描いた韓国映画」と「真珠湾攻撃を描いたアメリカ映画」、あなたはどちらを見たいだろうか?  我々は、「日本人が悪役。である外国映画」を、わずかな数であるが、熱狂的に楽しんで観た、という記憶を持っている。かのブルース・リー・クラシックスのひとつに数えられる『ドラゴン怒りの鉄拳』(72年)は、その輝かしい代表であろう。  ある世代の、あるセクトの人々、つまり「この映画を観に行った全

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