思春期の娘との悩みを、静かに打ち明けた/ 娘のトースト 5話 2018/9/7 宝箱? 聞き返そうとすると、コーヒーを持って店員がやってきた。2つのカップが置かれる間、私は黙ってテーブルの上を見つめる。 ふいに、さっき見た唯とありさちゃんの姿が思い浮かんで、それを振り払うようにあわてて首を振った。 「学校、今日は帰りが早いんですね」 顔を上げた私は、「そうなの、テスト前だから」とうなずいた。 中村さんは静かにほほえんでいる。その穏やかな笑顔にうながされるように、私はゆっくりと