大学教授の妻でありながら夫には抱かれない女…“エロス”によって人生を翻弄される人々の行く末は――

『エロスの種子』(集英社)  人はときに“快楽”により過ちをおかす。いけないとわかっていながら、抗えない。それは一夜の浮気程度のものかもしれないし、その後の一生を大きく狂わされてしまうものかもしれない。「いや、私は大丈夫だ」と思っていたとしても、果たしてこの作品の登場人物たちの立場で同じことを言えるのだろうか、というと怪しい。  もんでんあきこの描く『エロスの種子』(集英社)は欲情によって人の運命

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