最後の最後まで気が抜けない! 愛と青春とミステリーの物語『僕と彼女の左手』 2018/5/4 『僕と彼女の左手』(辻堂ゆめ/中央公論新社) 『僕と彼女の左手』(辻堂ゆめ/中央公論新社)は、2015年『いなくなった私へ』でデビューしてから、タッチの違う小説を書いてきた辻堂ゆめさんが、新たなテーマとして挑む恋愛小説だ。 筆者は連続して恋愛系の作品に接する機会はあったが、本書はただの「恋愛」ではなく、「青春」あり「ミステリー」要素ありと、とても読み応えのある作品だった。 実はデビュー作で「