学歴偏重の会社で、受け入れてもらえなかった「高卒のわが父」の悲哀 2018/3/29 現役証券マンにして作家の町田哲也氏が、実体験をもとにつづるノンフィクション・ノベル『家族をさがす旅』。 一時は生死の境をさまよい、入院中の78歳の父。彼は20代の頃、全盛期の岩波映画でカメラマンとして働いていたことを、ひそかに誇りにしていた。 しかし、かつての同僚に昔の思い出を訊ねて回っても、父のことを覚えている人はいなかった。その背景には、高卒の父が当時の岩波映画の空気に馴染めなかったことが関