【石野伸子の読み直し浪花女】「めし」で読み解く林芙美子(8)異色タイトル小説 たきたて御飯ふっくら「私の道」描く

新聞小説のタイトルは分かりやすさが大切だが、それにしても「めし」というタイトルは異色だ。  素朴にして単純明快。しかし、少々乱暴な響きもある。当初、新聞社側は反対の意を唱えたというが、作家はこのタイトルに固執した。  連載を始めるにあたって書いた新聞の社告に、芙美子はこんな風に書いている。  まず「“めし”という題名は、奇妙な題名かもしれません」と書き出し、「字源」を引きながら「めし」という言葉の

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