評伝 石牟礼道子さん 患者の尊厳思い寄せ 「記録しなければ」怒り原点

「水俣」を、そして文明の危うさを書き続けた作家石牟礼道子さんが亡くなった。水俣病と、それを引き起こした企業や行政の振る舞い、がむしゃらな経済優先の時代の病巣を見つめ、そこからの思いを1本のペンに宿した人生だった。言いようのない喪失感を覚える作家の死である。 石牟礼さんは文学少女として水俣に育った。10代半ばから歌を詠み、詩作に親しんだ。結婚し、地元で家庭を持つ。その文学好きの一主婦が、足元で起きた

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