2人受賞の第158回芥川賞 せめてデビュー第2作を読んでから 2018/1/20 2018/2/1 ●近本洋一「意味の在処-丹下健三と日本近代」 独特な筆運びの毅然とした批評文 第158回芥川龍之介賞は、石井遊佳の「百年泥」(「新潮」2017年11月号)と若竹千佐子の「おらおらでひとりいぐも」(「文芸」17年冬号)の2作が同時受賞した。どちらも初出時に本欄で取り上げた作品なので内容に深くは立ち入らないが、「百年泥」はチェンナイで日本語教師をしている日本人女性の軽快な語りによって現代インドの諸相と