信念貫く人々描いた 故葉室麟さん 九州足場に歴史向き合い

【評伝】命の残り時間を考えたことはありますか-。葉室麟さんにそう問われた時、私はまだ30歳そこそこだった。直木賞受賞から数カ月後、東京の酒場だった。答えに詰まっていると、葉室さんは言った。「私はどうしても、考えますよ。だから、棚に本を並べたとき、これだけ幅があると、分かってもらえるように書いている」。古代から近代、歴史物も時代物も縦横に、ハイペースで世に送り出す理由を、そう説明していた。 デビュー

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