17世紀前後のヨーロッパで流行った古典的騙し絵。人物像を隠した風景画 2017/11/19 西洋美術における「風景画」は、現在ではひとつのジャンルとして定着している。しかし、古い時代には「風景」は人物画の背景に過ぎなかった。 木、草原、山並み、あるいは嵐の荒れ狂う海といったものは、その絵画における人間の活動に迫真性を持たせるために、フレーム内に描き加えられるものに過ぎなかったのである。「人間に関する物語」を欠いた「風景」のみでは意味を持たなかったのだ。 しかし、ルネッサンス期を迎え、