高橋源一郎をノックアウトした「今、ほんとうに必要なことば」

年表を見ると、森茉莉のただ一つの長編小説『甘い蜜の部屋』の刊行は昭和50年の8月とある。その頃、わたしは24歳で、大学に籍はあったがもちろん行くこともなく、日々、肉体労働をしていた。 本を読むこともほとんどなくなっていたが「森茉莉の長編小説」は、それだけで文学的な「事件」であることぐらいはわかっていた。刊行直後に読み、そして、完全にノックアウトされたのだった。 それは、数年前の大きな政治的・社会的

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