若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」/石井遊佳「百年泥」/温又柔「空港時光」

「新潮」「すばる」「文芸」の3誌で新人賞が発表されている。その中で明らかに際立っているのは文芸賞を受賞した若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(「文芸」冬号)である。作者は現在63歳、小説を書いてみるようになって十数年、8年前に夫に先立たれ哀(かな)しみに沈んでいたとき、息子に薦められて小説講座に通うようになったことが今回の作品に繋(つな)がったという。 主人公は75歳の桃子さん。息子も娘もとっく

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