悪役の魅力が炸裂する小栗虫太郎の伝奇小説――究極の徹夜本! 2017/9/15 世の新刊書評欄では取り上げられない、5年前・10年前の傑作、あるいはスルーされてしまった傑作から、徹夜必至の面白本を、熱くお勧めします。 ◆◆◆ 『二十世紀鉄仮面』(小栗虫太郎 著) 戦前の探偵作家・小栗虫太郎の代表作として真っ先に挙がるのが『黒死館殺人事件』だ。恐るべき衒学趣味(ペダントリー)で埋めつくされた異形の作品空間で名探偵・法水麟太郎(のりみずりんたろう)が超論理に満ちた推理を繰り広げ