町田康「湖畔の愛」/青木淳悟「プロ野Qさつじん事件」/筒井康隆「漸然山脈」

「文学」と「笑い」は、あまり相性のよくないものと考えられているのではないだろうか。「笑える純文学」などという表現は聞いたことがない。だが、それは実在する。現に今月の文芸誌には3編も載っている。 町田康の中編「湖畔の愛」(「新潮」9月号)を読みながら、何度も爆笑を抑えることが出来(でき)なかった。物語られるのは、湖に臨む老舗ホテルを舞台に演じられる、絶世の美女をめぐる恋のさや当てにして究極の「芸」を

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