親殺しか、妾殺しかーー江戸の噂

イラスト/フォトライブラリー 『江戸の性事情』(ベスト新書)が好評を博す、永井義男氏による寄稿。  下谷六軒町に裕福な後家が住んでいた。  後家は四十歳くらいだったが、死んだ亭主が残した土地や建物が各所にあるため、地代や家賃収入で悠々自適の生活だった。  後家には徳三郎という二十四、五歳の息子がいたが、養子だった。  近所では、親子仲が悪いので有名だった。  後家はけちで、収入はひとりじめして、

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