清少納言はなぜ『枕草子』を書いたのか? 『天地明察』の冲方丁が描く最新歴史小説が遂に文庫化!! 発売たちまち重版!
学生の頃、清少納言の『枕草子』は随筆、つまり「エッセイ」だと教わった。「春はあけぼの」から始まる一文は、多くの人が覚えている有名な文章だと思う。私が初めて『枕草子』に触れた時の感想は、「お貴族様は忙しい現代人とは違うよね」というもの。
四季のうつろいをのんびり眺めて、蹴鞠して和歌を詠んで、風流に、ゆったり生きている。なんだか、自分とはかけ離れた生活を見ている気持ちだった。
しかし『はなとゆめ』