予期せぬ出会い 1章【君の知らない街へ 第10話】 2016/8/1 カサカサと木がこすれる音がして、人の形の影が見えた。部屋の明かりが足元を照らすと、ランニングシューズが目に入る。細くしなやかな足は、ふくらはぎで逞しく隆起していた。上半身に視線を移すと、暗闇にぼんやりと顔が浮かんだ。画像:(c)soleg - Fotolia.com「君は…」それは、男追いに参加中の亮輔だった。「ああ、見つかってもうた」観念したように言った。「いい隠れ場所やと思ったんやけどなぁ」前...