白いシャツ ― 大好きな人が着ていた服 ―

予備校時代の話。初めての授業の日、朝日が差し込む広い教室で、私は白いシャツを着た彼の歩く姿に釘付けになった。まとっている空気が他の人とは違って見えて、初めて服が美しいって感じた。とってもシンプルなのに、生地感、アームホールの幅、そんな絶妙なディテールが1枚に凝縮されていて、ただの服じゃないなって。それに合わせた真っ黒で少しワイドなスラックス。それもまたよかった。柔らかで歩く度に表情が出る。とにかく

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