警察による証拠捏造と自白強要で下された死刑判決――奪われた人生と冤罪をめぐる戦い 2017/5/25 『死刑捏造: 松山事件・尊厳かけた戦いの末に』(藤原 聡、宮野健男、共同通信社:著/筑摩書房) かえせ かえせ 十年をかえせ 家族のもとにボクをかえせ これは1965年、斉藤幸夫が仙台市の刑務所から、文通相手に送った詩の一部である。幸夫は放火殺人事件の犯人として死刑判決を受けていた。しかし、実際には警察から自供を強要されており、提出された証拠は捏造だった。幸夫は1984年に無罪が証明されるまで、