往年の大女優が「過去の人」になる皮肉…作者・倉本聰の経験が底流に 〈やすらぎの郷 GW特別篇 前編、後編〉(テレビ朝日)
特別編ばかりでなく、筆者はスタートした回から全部見てきたが、最初の頃はテンポがのろくて辟易した。主人公の菊村栄(石坂浩二)が老人ホームへ入る前に、テレビ局での友達(近藤正臣)と延々話し合う場面などの、まどろっこしさ、作者、倉本聰のテレビ界への恨み節など、「はいはい、早く進んでくれよ」と思ったほどだった。
ところが、総集編では個々のエピソードが中心である。『姫』と呼ばれるかつての大スター、九条摂子(