自称・天才の音楽家は全裸で泣いた――爪切男のタクシー×ハンター

終電がとうにない深夜の街で、サラリーマン・爪切男は日々タクシーをハントしていた。渋谷から自宅までの乗車時間はおよそ30分――さまざまなタクシー運転手との出会いと別れを繰り返し、密室での刹那のやりとりから学んだことを綴っていきます。 ◆【第三十一話】捨ててみて平気なもの、それは大切なものじゃない。  私が愛した彼女は音楽の天才だった。  周りから天才と呼ばれていたのではなく、自分で自分のことを

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