絵画にまつわる事件に巻き込まれていく――。今、注目の若手ミステリ作家が描く『彼女の色に届くまで』
「美術館に行くと、日本人ってまず作者のプレートを見る傾向があるらしいんです。欧米の人からすると、“作品から観ればいいじゃないか”って、その行為が不思議に映るそうで。なぜプレートを先に見るのかというと、アートを“わかる人”になるためには知識が必要だと考えてしまうから。日本人って、真面目なんですよね(笑)。でもアートって、もっと自由に楽しむことのできるものだと思う」
似鳥 鶏
にたどり・けい●1981