又吉の新作『劇場』レビュー 恋愛小説ではなく「わからない」の物語でした 2017/3/13 いわゆる「天才」だけが天才なのだろうか。 誰もが、みんなが、わからない部分、自分の意思まで超越しちゃった部分、すなわち天才的な部分を、持ってるのだろうな、と、『劇場』を読んで思った。 3月7日発売の『新潮』4月号に、又吉直樹のデビュー後2作目となる『劇場』が掲載された。 『劇場』は、又吉の芥川賞受賞後、初発表された長編作品にして、自身初となる“恋愛小説”と大々的に報道された。 芥川賞を又吉と同時に