松本清張、古典的本格探偵小説の手法試みた『アムステルダム運河殺人事件』

オランダのアムステルダム(写真提供:アフロ)  松本清張が登場するまでの探偵(推理)小説は、犯罪の動機に関わる問題にはほとんど眼を向けることなく、それよりも犯罪のトリックを重視する探偵小説が主流であった。そういう探偵小説を江戸川乱歩は本格探偵小説と呼んだ。 それに対して清張の推理小説は、犯罪のトリックを軽視するわけではないものの、単なる謎解き小説の域を脱して、犯罪の動機やその社会的背景を分厚く叙

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