太平洋戦争敗戦直後、「戦犯」の容疑で指名手配された海軍少佐の命がけの逃避行 2023/10/30 私は今年(2023)夏、『カミカゼの幽霊 人間爆弾をつくった父』(小学館)という本を上梓した。「人間爆弾」と呼ばれる特攻兵器「桜花」を発案した大田正一という一人のノンキャリアの軍人が、戦後名前も戸籍も失い、戦後築いた家族にも長いこと自らの正体を明かさないまま平成の世まで生きた、その人生と家族の葛藤を描いたノンフィクションである。 そのテーマに引き寄せられたのかどうか、『カミカゼの幽霊』を執筆中、大