『カルテット』が突きつける、残酷な“世間の常識” すずめが流した涙の意味とは

「なによ、あなたたちなんて、ただのトランプじゃない!」(『不思議の国のアリス』,ルイス・キャロル著,矢田澄子訳,新潮文庫)  吉岡里帆演じる有朱は、今思えば不思議の国のアリスなのかもしれない。深い穴の中を真っ逆さまに落ちてしまった現代のアリスは、地下アイドルになり、目が笑っていない店員になり、言葉遊びに興じながら幸せに生きるアーティストたちの夢の世界を叩き壊そうとする。まるで夢の世界を生きるトラン

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