知的障害者施設の19人殺害事件から着想した小説『月』。宮沢りえ、磯村勇斗らで映画化の、善悪を揺さぶる原作を読む
『月』(辺見庸/KADOKAWA)
10月13日に公開される映画『月』。主人公は、宮沢りえが演じる作家・堂島洋子です。主な舞台は洋子が働き始める障害者施設。職員の入所者への横暴な態度、入所者たちの目を背けたくなるような行動、職員間のいじめ……生々しい日常がタブーなしで描かれます。さらには宮沢りえ含む主要キャスト4人の役柄は全員小説家、映像作家などの表現者。表現者同士だからこその嫉妬・羨望・焦燥な