38歳で会社をやめたころ山本周五郎を読んで過ごした… 2017/2/19 38歳で会社をやめたころ山本周五郎を読んで過ごした、と作家嵐山光三郎さんが新潮文庫「文豪ナビ 山本周五郎」に寄せて書いている▼どうやって生きていくか思案していた嵐山さんは、寝ころんで読んだ人情小説の一つ一つに「胸をつかれて座り直し、そうかこれでいいんだ、とはげまされた」という▼周五郎は時代小説が多い。不遇の人が出てくる。懸命な生き方がある。友情がある。弱い者の側に立った温かい筆致の中で物語は展開す