まったく美しくない吹き溜まりのパリを鹿島茂が執念で再現した

パリを舞台にしたアート小説を書くために、頻繁にパリを訪れて、とにかく街を歩いている。私がパリ滞在の拠点としているバスチーユ広場付近から、オステルリッツ橋を渡って左岸へ。セーヌ河畔をそぞろ歩き、サン=ルイ島からシテ島へ。ポン・ヌフ橋に佇めば、彼方の空にアンヴァリッドの金色の帽子とエッフェル塔が浮かんでいる。いつ来てもパリは変わらず美しい。パリは……。  などと、すっかり甘々の「パリかぶれ」になってい

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

CLOSE
CLOSE