吉本ばななと村上春樹と宮本輝、そして読書について 2023/4/13 子供の頃はなぜかいつも悲しかった。よしもとばなな(当時は作家名がこう綴られていた。)の小説を読むと、いつもその感覚と景色を思い出す。 日曜日に窓から空を見上げ、流れていく雲を目で追っていたこと。庭にあった小さな池。裏庭から海岸沿いの松林へと続く砂丘。家のすぐ隣にある中学校の体育館の窓に反射する夕日。 普通の家庭に育ったと思っている。どこの家にもそれなりの問題はあるはずだから。だけど、あんなに悲しか