長い時を経て開かれた扉

「60年俳優をやってきた中で、私にとって記念碑的な作品です」。今からちょうど10年前、俳優の仲代達矢さんがこうコメントした作品。それが、映画「約束―名張(なばり)毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」である。  戦後唯一、無罪から一転、死刑判決が言い渡された同事件を題材にした作品だ。独房から無罪を訴え続けた奥西勝元死刑囚を演じた仲代さんと、息子の無実をひたすら信じる母親役の樹木希林さんの抑制の効いた演技が

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