秘密の森のその向こう、の向こう|愛の病

母の三回忌に、父はようやく納骨を決意した。  風の強い日だった。  家族と親族とだけ集まって、その日を迎えた。こんなときにしか会えない母の妹たちは、やっぱり母にすごく似ていた。  納骨は位牌からお墓に魂を移す儀式だから、お墓の前でお坊さんにお経をあげてもらう。風がびゅうびゅう吹いて飛んでしまうといけないからと、お焼香の代わりにお線香を寝かせて供えた。無宗教でもこういうときはきちんと宗教的行事をしよ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

CLOSE
CLOSE