【小説】「やあ!」と一声…蘇我入鹿の頭に剣を振り下ろしたが

第一章 大化 まもなく御簾の内に大王が着座し、百済、高句麗、新羅の使者が進み出て上表文と貢物の目録を御前に捧げた。入鹿の正面に座した石川麻呂がおもむろに立ち上がり、台うてなに置かれた上表文を取り上げ、大王に向き直って深々と一礼した。 ところが封を開いてからなかなか読もうとしない。入鹿が、もったいぶるにもほどがあるだろうと訝って石川麻呂の顔を覗き込んだ。 本物の三韓の使者は難波に上陸したまま留め置か

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