万年筆小林エリカの文房具トラベラーvol.33

どうにも貧乏性な私は、ステッドラーのシャープペンシル(1000円くらい)を買うのにも震えるような性格故、筆記用具の最高峰万年筆に至っては、もはや恐れ慄いて手が出なかったというのが正直なところである。欲しい。でも高い! いつかお気に入りの珠玉の一本を手に入れたいと思いつつ、なかなか叶わぬまま三十を過ぎて、遂に私がそれを手に入れたのは、父が死んだ時のことであった。 父はもっぱら赤青鉛筆か三色ボールペン

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

CLOSE
CLOSE