SF的要素を取り入れ「家族」の概念を覆す

 年末年始はじっくりと本を読む良いチャンスだが、本読みの達人が選ぶ書は何か。翻訳家の鴻巣友季子氏は、純文学の潮流を読み解く書として『橋を渡る』(吉田修一・著/文藝春秋/1800円+税)を推す。鴻巣氏が同書を解説する。  * * *  もはやリアリズム小説では現実に太刀打ちできないせいか、遺伝子操作やクローン、AI(人工知能)といったSF的な要素を純文学作品にも取り入れる潮流が、ここしばらく世界的に

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