「会いたかった…ずっと、一人?」「ええ…結婚するんです」

『八汐の海』 「や、重信さん」 乃木坂の方から来てすれ違っていこうとした男が声をかける。 「や、奇遇だ。お前、一人? こんなところで、まだ暇潰しできる身分じゃないだろう?」 「あ、室町さん」 「僕は、初めてのような……」 「僕の方はかねがね……」 「生方くんだ」 二、三歩下がって離れていこうとする淳を引き留めて重信が紹介しようとするときっとなって 「企んだ?」 「怖いなあ。淳、邪推は卑しい。おいで

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