次々と鉄道が消えゆく北海道で生まれた物語『氷の轍』

 年末年始はじっくりと本を読む良いチャンスだが、本読みの達人が選ぶ書は何か。評論家の川本三郎氏は、地方の衰退を読み解く書として『氷の轍』(桜木紫乃・著/小学館/1600円+税)を推す。川本氏が同書を解説する。  * * *  景気の悪い話になってしまうのをお許しいただきたい。鉄道好きにとって2016年の悲しいニュースのひとつは、北海道の留萌本線の廃止だった。終着駅の増毛駅は高倉健主演の『駅 STA

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