5つもの災害に見舞われ、出世競争にも敗れ、山に独居…。『漫画方丈記 日本最古の災害文学』が示す生きにくい世の「幸せ」とは!?
『漫画方丈記 日本最古の災害文学』(鴨長明:著、信吉:漫画、養老孟司:解説/文響社)
『枕草子』、『徒然草』と並んで日本三大随筆のひとつである『方丈記』。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という冒頭の有名な一文で知られるこの作品は、源平騒乱期を生きた鴨長明が、西暦1212年、58歳の時にわずか5畳ほどの小屋で書き上げたと言われている。
鴨長明は、生きている間に、京の都にて、安