【書評】早熟な知性と感受性を持つ少女たちの輝かしい日々 ~『離れがたき二人』

今注目の書籍を評者が紹介。今回取り上げるのは『離れがたき二人』(シモーヌ・ド・ボーヴォワール著、関口涼子訳/早川書房)。評者は詩人の川口晴美さんです。* * * * * * * 初恋の疼きにも似た繊細な心情が、やわらかな筆致で 一九二〇年代のパリ。九歳のシルヴィーは新しく学校にやって来た黒褐色の髪の小柄な女の子アンドレに魅了される。個性的で皮肉屋、先生たちにも不遜な態度をとる一方、ときにメランコリ

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