ラスト一行で世界が変わる 『壁の男』 (貫井徳郎 著) 2016/12/18 栃木県のある町で家屋の外壁に描かれた原色の絵の数々がSNS上で話題になる。ライターの鈴木が現地まで赴き調べたところ、伊苅という中年男性が描いたものだと分かる。なぜ伊苅は他人の家の壁にまで絵を描き始めたのか。本人は多くを語らないため、鈴木は伊苅の過去を洗おうとするのだが――。 文藝春秋 1500円+税 「以前から時代小説が好きで、そこに出てくるような一つのことにストイックに取り組む男を現代小説で登場