【「浜の朝日の嘘つきどもと」評論】タナダユキ監督の個性が滲み出る、映画界への愛貫く提言

タナダユキという映画作家の人柄が滲み出た、何度となく見返したくなるオリジナル脚本の良作が完成した。PFFアワードでグランプリに輝いたデビュー作「モル」から20年弱という年月のなかで、鍛錬を欠かさなかったからこそ何層にも積み重ねられた「タナダユキ」という個性が、押し付けがましさとは無縁のメッセージをダイレクトに観る者へ届けることに成功したと言えよう。  タナダユキは、多才な人である。映画監督以外にも

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